
バイオリンは、選ぶ目的や使用する人の年齢、レベルによって価格帯が大きく異なります。ここでは、「子ども用」「初心者向け」「音大志望者向け」に分けて、相場や選び方のポイントをわかりやすくご紹介します。
『わたしのバイオリン教室』運営担当の豊田です。
2010年から全国の女性バイオリン講師と生徒さんをつなぐ検索サイトを運営し、これまでに1万人以上の体験申込をサポートしてきました。
掲載している講師はすべて女性で、お子さまや女性が安心して通える個人教室をご紹介しています。
本記事では、全国の現役バイオリン講師から得たリアルな情報をもとに、バイオリンの値段や相場について詳しく解説しています。
バイオリンの値段はどれくらい?目的別に違いがあります

バイオリンは、選ぶ目的や使用する人の年齢、レベルによって価格帯が大きく異なります。ここでは、「子ども用」「初心者向け」「音大志望者向け」に分けて、相場や選び方のポイントをわかりやすくご紹介します。
子ども用バイオリンの値段と選び方

子どもが初めてバイオリンに触れる場合、以下のような価格帯が目安になります。
サイズ |
価格帯 | 特徴 |
1/10〜1/8 |
約10,000〜30,000円 |
小学校低学年まで向け、レンタルも選択肢に |
1/4〜1/2 | 約20,000〜50,000円 | 身長110〜130cm前後に対応 |
3/4 | 約30,000〜70,000円 | 小学校高学年〜中学生 |
• 1/16サイズ:身長90cm以上
• 1/10サイズ:身長100cm以上
• 1/8サイズ:身長110cm以上
• 1/4サイズ:身長120cm以上
• 1/2サイズ:身長130cm以上
• 3/4サイズ:身長140cm以上
• 4/4サイズ(フルサイズ):身長150cm以上
※サイズはあくまで目安です。
子供の場合、バイオリンのサイズは身長を目安に決まっています。
靴や服のように小さいけど我慢させて弾かせよう、大きいサイズを先に買ってこのままで良いということはできません。
体に合った正しいサイズ選択が正しい構えが身につきます。先生のアドバイスは必ず聞きましょう。
成長に伴って買い替えが必要になるため、購入だけでなくレンタルを活用する家庭も増えています。
初心者・趣味で始める大人向けバイオリンの相場
レベル |
価格帯 | ポイント |
初心者用 |
約30,000〜100,000円 |
初めの1本として十分な品質 |
中級者向け | 約100,000〜300,000円 | 音質・材質がワンランク上、長く使える |
レッスン継続者 | 約300,000円以上 | 弾きやすさや音色の深みを重視する方へ |
レッスン継続を前提とするなら、ある程度の予算を持つことをおすすめします。
音大志望・本格的に演奏したい方のバイオリン価格
音楽大学や音楽高校を目指す場合や、アマチュアでも本格的に演奏を追求したい方には、
-
価格帯:500,000円〜1,500,000円以上
-
特徴:職人の手による手工品、製作者の銘入り、弾き手との相性重視
など、プロ仕様に近い楽器を検討する必要があります。中古楽器やオールドバイオリンという選択肢もあります。
講師に聞いたおすすめバイオリンメーカー
バイオリンは同じ価格帯でも、メーカーによって音の響きや弾きやすさに違いがあります。ここでは、全国のバイオリン講師の方々から実際によくおすすめされている楽器メーカーをご紹介します。専門的になりすぎず、これから始める方にも参考になる視点でまとめました。
初心者〜初中級者向け

🎻 恵那バイオリン(ENA Violin)
国産メーカーのENA Violin(恵那バイオリン)は、初心者向けセット「Set No.10」が約7万円前後で購入できます。丁寧な作りと美しい仕上がりが特徴で、見た目も音も妥協したくない初心者の方におすすめです。
講師のあいだでも、「すぐにレッスンに使える品質」「手に取りやすい価格」「安定した音の鳴り」などの理由から人気があります。基本のセットには弓、ケース、松脂など必要なものが揃っており、買ったその日からすぐに演奏を始められるのも魅力です。
🎻 Eastman(イーストマン)
アメリカのEastmanは、音の伸びや響きの美しさに定評があり、特に初中級者のステップアップに最適です。
実際に使っている講師からは「ホールで演奏しても響きが豊か」「ニスの仕上げが美しく、楽器の色味が明るく華やか」といった声も。バイオリンの音色に対して感受性の高いお子さまや、モチベーションを大切にしたい大人の方に選ばれることが多い楽器です。
🎻 鈴木バイオリン製造(SUZUKI)
日本の老舗メーカーである鈴木バイオリンは、教育用楽器として非常に信頼性が高く、長年にわたり多くの教室で使われてきた実績があります。
新品で6〜7万円前後から購入可能で、状態の良い中古品であれば2〜3万円程度で見つかることも。お子さまの成長による買い替えを前提とする場合や、はじめの1本として無理なく始めたい方に適しています。
💡迷ったときは、先生に相談するのが安心です
バイオリンは「音の好み」「サイズのフィット感」「長く使えるかどうか」など、ネット上の情報だけでは判断が難しい要素もあります。
教室によっては、試奏できる楽器や先生からのアドバイスが受けられる場合もありますので、購入前に一度相談してみることをおすすめします。
オンライン購入は便利だけど、初心者には注意が必要です

最近では、バイオリンもネットショップや通販サイトで手軽に購入できる時代になりました。しかし、当サイトに登録している現役講師の方々にお話を伺うと、「便利ではあるものの、初心者がオンラインだけで楽器を選ぶのはややリスクがある」との声が多く聞かれました。
もちろん、周囲にバイオリン経験者がいてアドバイスをもらえる場合や、ご自身である程度の調整・メンテナンスができる方にとっては、オンラインでお得に購入できるのは大きなメリットです。
ただし、特に初心者の方にとっては、
• 楽器の状態を自分で見極めるのが難しい
• 不具合があっても気づきにくい
• 調整が不十分なまま練習してしまう
といったリスクもあるため、講師の立場として「積極的にネット購入を勧める」方は少ないのが実情です。
講師に聞いた!オンライン購入のメリット・デメリット
バイオリンも、今ではオンラインで気軽に購入できる時代になりました。選択肢が広がる一方で、初めて楽器を選ぶ方にとっては不安もあります。そこで、当サイトに登録する現役のバイオリン講師の皆さんに、オンライン購入についてのリアルな声を伺いました。
✅ オンライン購入のメリット
1. 選択肢が豊富
さまざまなブランドやモデルが掲載されており、自分に合った楽器を比較しながら探せます。
2. 価格の比較がしやすい
複数のショップを一度にチェックでき、よりお得に購入できるチャンスが広がります。
3. 自宅で手軽に購入できる
外出せずに注文から配送まで完了でき、忙しい方にも便利です。
4. レビューや評価が参考になる
他の購入者の体験談を読むことで、選ぶ際のヒントになります。
5. セールやキャンペーンが豊富
タイミングが合えば、楽器やセットが割引価格で手に入ることも。
6. 返品・交換制度が整っているショップもある
対応がしっかりしているお店なら、万が一のトラブルにも安心です。
7. 24時間いつでも注文可能
自分のペースで検討・購入ができるのは、ネット購入ならではの魅力です。
⚠️ オンライン購入のデメリット(講師の体験から)
1. 試奏ができない
音の響きや弾いたときの感触を事前に確認できないのは大きな不安材料です。
2. 品質のばらつきがある
「届いた楽器が弾きにくかった」「調弦がしにくい」「弓がメンテナンスできない」といった声も。初心者には判断が難しい部分です。
3. 配送時のトラブルリスク
まれに輸送中の衝撃でキズや破損が起こる場合も。受け取りタイミングの調整が必要なケースもあります。
4. 返品・交換の手間や費用が発生することも
ショップによっては、送料や手数料が購入者負担になる場合があります。
5. 購入後のサポートが限定的
対面でのアドバイスや調整サービスが受けられず、困った時に相談できないことも。
6. 情報の偏りに注意
レビューの信頼性やショップの説明内容に偏りがあることも。経験が浅いと判断が難しい場合があります。
7. サイズやフィット感が確認できない
特にお子さま用バイオリンでは、サイズ選びのミスが起きやすく、合わない楽器だと弾きにくさにつながります。
🎻 初めての楽器選びは、対面の安心感も大切に
オンライン購入はとても便利ですが、特に初心者の方には先生や専門家のアドバイスを受けながら選ぶことをおすすめする講師が多くいらっしゃいました。
「価格だけで選ばず、長く使えるものを」「はじめは教室のレンタルを活用してからでも遅くない」という意見も多く寄せられています。
迷ったときはぜひ、近くのバイオリン教室の先生に気軽にご相談ください。
店舗でのバイオリン購入|講師の声から見るメリットと注意点
楽器店での購入には、実際に手に取って選べる安心感があります。一方で、意外と見落としがちな注意点も。ここでは、現役講師の意見をもとに、店舗購入のメリットとデメリットをまとめました。
店舗購入のメリット(講師からの評価)
● 試奏ができる
→ 音の違いや手に持った感覚を確かめられるのは、対面販売ならではの大きな利点です。特にお子さまの場合は、サイズ感や構えやすさの確認が重要です。
● 専門家のアドバイスが受けられる
→ 初めての方でも、スタッフから丁寧に説明が受けられ、用途に合った楽器選びがしやすくなります。
● 購入後のメンテナンスも安心
→ 弦の交換や音調整など、継続的にサポートが受けられるため、初めての方にも心強い環境です。
● その場で持ち帰れる
→ 配送を待たず、すぐに手元に届くのも嬉しいポイント。すぐに練習を始めたい方に最適です。
● カスタマイズの相談ができる
→ 肩当て、弦、ケースなどもその場で比較しながら選べ、自分好みのセットアップが可能です。
● 実物を見て選べる安心感
→ ネットではわからない細部の仕上がりや色合いを直接確認できるのは、やはり安心です。
● 音楽コミュニティとのつながりができる
→ 楽器店では講師や演奏家との出会いも多く、イベントやワークショップの情報も得やすいメリットがあります。
店舗購入のデメリット(講師が感じる課題)
● 選択肢が少ない場合も
→ 店舗の在庫には限りがあり、希望のブランドやモデルに出会えないことも。複数店舗を回る手間が発生することもあります。
● 価格がやや高めに設定されている
→ 店舗では運営コストが上乗せされるため、同じモデルでもネットより高くなることが一般的です。
● 地理的にアクセスしにくいことも
→ 地方や郊外にお住まいの方は、最寄りの楽器店が遠く、移動時間や交通費が負担になることもあります。
● 試奏環境に制限がある
→ 他のお客様がいる中での試奏は緊張するという声も。音響環境も自宅とは異なるため、音の印象に差が出る可能性もあります。
● セールストークに戸惑うことも
→ スタッフの提案を断りづらかったり、初心者の方が必要以上に高価な楽器を選んでしまうことも。納得して選ぶ姿勢が大切です。
● 返品・交換がスムーズでないことがある
→ 店舗によって返品規定が異なり、ネットショップのような柔軟な対応が期待できない場合もあります。
🎻 迷ったら「試奏+相談」が安心の第一歩
どの購入方法にもメリット・デメリットがありますが、最終的には「自分に合った1本に出会えるか」が最も大切です。特に初めての楽器購入では、先生に相談したり、試奏して選ぶ時間を取ることが、失敗しないコツです。
✅ ご希望に合った先生探しはこちら
バイオリン本体以外にかかる主な費用(初心者向け)

項目 |
費用目安 | 補足 |
弓(ボウ) |
約10,000~50,000円 |
セットに含まれることが多いが、単品購入時は価格差あり |
ケース | 約5,000~30,000円 | 軽量タイプ~ハードケースまで幅広い |
松脂(ロジン) | 約500~2,000円 | 弓の毛に塗って音を出すための必需品 |
肩当て | 約1,500~5,000円 | 特に子どもや大人初心者には必須 |
チューナー&ミュート | 各1,000~3,000円 | 自宅練習や音程確認に便利 |
替え弦 | 1セットあたり 約3,000~10,000円 | 使用頻度によっては数ヶ月ごとに交換が必要 |
✅ 毎回のお手入れ(自宅でできること)
• 練習後は、弓の毛を緩める
• 弦や本体についた松脂をガーゼなど柔らかい布で拭き取る
• ケースにしまう前にホコリや手の脂を軽くふき取るだけでも違います
✅ 定期的に行いたいこと
• 弓の毛替え:年に1回程度(発表会前などタイミングで)
• 弦の交換:半年に1回が目安(使用頻度により異なります)
※「自分で交換できるか不安」という方は、講師や楽器店にお願いするのがおすすめです。
✅ 楽器店でのメンテナンスも活用を
バイオリンを購入したお店では、基本的なお手入れの方法を教えてもらえることが多いです。弓の毛替えや本体の調整などは、定期的に専門店にお願いすることで音の状態も良好に保てます。
安すぎるバイオリンには注意
ネットで1万円以下の激安バイオリンも見かけますが、
-
調弦しづらい
-
音が鳴りにくい
-
弾きにくい
といった問題が多く、上達の妨げになることがあります。 バイオリン選びは先生と相談しながら、信頼できる専門店で購入するのが安心です。
よくある質問Q&A
Q. 中古のバイオリンはどうですか?
A. 予算に限りがある場合や上位モデルを安く買いたい方におすすめです。ただし、状態やメンテナンスの履歴を確認しましょう。
Q. どこで買えばいい?
A. 楽器専門店での購入や、教室からの紹介がおすすめです。ネット通販は当たり外れが大きいため要注意です。
Q. レンタルはできますか?
A. 教室によってはレンタル可。特に子どもの場合、成長に合わせてサイズが変わるので活用価値あり。
Q.子ども用バイオリンは買い替えが大変ですか?
A. 成長に合わせてサイズアップが必要ですが、無理なく続けられる工夫もたくさんあります。
子ども用バイオリンは、身長や腕の長さに合わせて段階的にサイズを変えていく必要があります。平均して1~2年ごとにサイズアップすることが多く、確かに何度か買い替えることになります。
ただし、実際の教室ではこんな工夫もされています:
• 教室でレンタルできる場合がある
• 状態の良い中古楽器を紹介してもらえることも
• 兄弟姉妹やお友達に譲るケースも多い
• 信頼できる楽器店での下取り制度を活用
講師の多くは「今の体に合ったサイズを使うことが、上達にもモチベーションにもつながる」と話しています。
無理に高価な楽器をそろえる必要はありませんし、先生に相談しながら、その時々で最適な選択をすることで負担を抑えられますよ。
バイオリン購入に関する現役講師からのアドバイス
- まず、予算を決めましょう。予算無くいきなり楽器店にいくとどんどん良い音色のものが欲しくなります。バイオリンを習う上で、楽器以外にレッスン代、テキスト、メンテナンス費用(弓の毛替えや弦の取替)など費用はかかります。
- 親戚からバイオリンを譲り受けたので使いたいという方もいらっしゃいますが、ある程度お金をかけて必ずメンテナンスして弾ける状態にしましょう。サビや劣化の修復には新品の楽器を買う場合より値段が高くなる場合もありますのでこういった場合も専門家に見せて相談が必要です。
- 消耗品としてバイオリンは弓の毛替え(5,000円〜7,000円ほど)、弦の張替え(初心者の場合、1本1,000円から3,000円ほど)が時期をみて必要になります。楽器の音色調整や松脂除去の掃除などにも費用がかかります。
- 5万円以下のものは大量生産のため糸巻きや顎当てがプラスチック製です。国産のEnaViolinは糸巻やあご当てはエボニーが使用され、弦やアジャスターの部品もランクの上のものが標準装備されています。
- 子供が一番最初に始める時はレンタルや人に借りる事はあまりお勧めしていません。中古でも自分の楽器として大事に扱える様になることも大事な要素です。
- 楽器の扱いに慣れていないうちに借りて落としたりぶつけたり何かあったら困るのであまり高額な物を選ぶのはおすすめできません。
- 弦楽器を専門に扱っている楽器屋さんで購入することをお勧めします。 長く大事に使うことを前提に購入するものなので、時に専門の職人さんによる 調整が必要になることもあります。楽器の専門家に相談するのがベストです。